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東遊雑記

上の山、此所は御城主松平山城守侯三万石、市中大概の所なれども、皆々草葦板家根にて見苦敷、町の中に温泉あり、湯涌所は町の西にありて、夫お筧お以て家々へ取て、湯壺に入て入湯する事なり、熱湯にて臭気もなく、さして功有湯にはあらず、疝癪によしと雲、