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東遊雑記

吾妻が岳の北方、羽州分に高湯と称せる温泉あり、到ての熱湯なり、此湯中へ諸の木お入置ば、五六年の間には化して石となる、又熱海中に虫お生ず、土人湯の虫と称す、湯上お走りめぐる、此虫お取て服すれば、癪気治せる妙薬なり、夏の内入湯のもの多し、湯に水お汲入て入る事と雲々、