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懐橘談
下大原郡
海潮 海潮とは古老伝曰、宇能活(いく)比古命、祖次義禰(みおやすきみの)命お恨て、北の方出雲の海潮お押止て、御祖の神お漂す、此に海の潮至るゆへに得塩と雲、神亀三年に、字お海潮と改む、即東北須賀小川の湯淵村中川の温湯あり、同川上も間林川中に温水出、得塩の社ありと記せり、今も海潮の湯ありて、瘡疥(かさかゆかり)麻痺の類お患る人行て沐ぬ、