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古事記伝
三十九
伊余湯、伊余は、上巻に出、湯は、和名抄に、伊予国温泉〈湯〉郡、神名帳に同郡湯神社あり、此地なり、美き温泉のあるより負る地名なり、〈此に湯と雲るは、其温泉のある処と雲には非ず、たヾ地名なり、〉書紀舒明巻に、十一年十二月、幸于伊余温湯宮、天武巻に、十三年冬十月、大地震雲々、時伊予湯泉没而不出、〈◯中略〉など見へたり、後世まで名高き温泉なり、〈中昔の書どもにも見えたり、今世に道後の湯と雲是なり、〉