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本朝無題詩

温泉道場言志 大江隆兼 雲名雲利両忘身、日々行々往臻、昨玩水城原上月、今憐湯寺洞中春、呼朋好鳥意同我、驚望新花栄似人、尋地適伝前日跡、〈長久年中、外祖於此地賦一絶、康和年予亦於此地綴六韻故雲、〉懐郷暫外朝塵、琴詩酒処雖成戯、仏法僧間遂仰真、累葉文華相畜得、海西棄置是何因、 ◯按ずるに、水城原上雲々とあるは、大宰府の水城お雲へるにて、此に温泉とあるは、即ち武蔵温泉のことなるべし、