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七湯栞

出湯のいさほし 夫温泉は、天地自然の理にして、陰陽交会し、水火妙合して温泉となる故に、是に溶すれば、いつとなく人の肌体、腹臓、表裏関節に貫徹し、陽気お宣通し、留淤お化導し、経胳お利し、気血おめぐらし、邪毒お排托する事、たとへば膏沢の物おうるほし、時雨の物にそヽぐが如く、奥然として鬱おひらき、結お解き、寒お除き、湿お去る事、皆温泉の能也、別て婦人血積、淤血、経行不順の症、其外帯下、腰冷、下部一切の病によろし、