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八雲御抄
五名所
河 いづみがは〈山万 渡おとおみ 狛山にかよはすといへり、みかのはらわきてながるヽ、はヽその杜のもと也〉 おとは〈同古今兼輔西坂本也〉 おもがは〈同野行幸、行平、〉 うぢ〈万、 やそうぢ川 あじろ まきのしま山ぶきあり、橘の小島とあり、鵜河、慈円歌、〉 しら〈同古 貞文、素性〉 かも〈山万〉 よど〈同古 おほよどヽ雲事はあれど、非普通事、ひが事也、不集入、在世継相模歌、〉 むめづ〈同拾〉 みたらし〈古賀茂〉 おほい〈同拾 鵜川立となせのたき有〉 かつら〈同 大井川のしもはかつら也、鵜川立、〉 おほはら〈同拾恵慶〉 なぎの〈同万〉 きぶね〈同社〉 ありす〈同、弁院御所、〉 よしの〈大、万、 見よしの川とも〉 あすか〈同 万ははし、〉 〈紅葉、せヾのいふちせかはる〉 たつた〈同紅葉 古今にはみむろの山のすえとみゆ、かつらぎもちかし、後撰にはいはせのもりちかし、〉 はつせ〈同 万 とませとも〉 きませ〈同〉 神なび〈同 万山ぶき〉 さほ〈同、万 千鳥 紅葉、 霧 忠岑歌蘭〉 くらはし〈同 万、 はしだての川、しづすげ、〉 なつみの〈同 万 よしの也、かもぞなくなるやまかげにして、〉 あきつ〈同 万 よしの也、無絶〳〵 といへり、〉 みわ〈同 万 蛙、かはきよき也、玄賓、きよきながれとよめるは、三輪、清浄によせてよめる也、〉 やつり〈同、万、〉 のと〈同 万 みかさ山近〉 あなし〈同 万 まきもくのあなし〉 にぶの〈同万 まきながす川也、舟かよはすといへり、〉 こせ〈同万〉 ひろせ〈同 万 そてつくはかりあさしと雲り、〉 むつだの〈同 万 柳、かはづ、〉 のとせの〈河内 万 のとせ川は、摂津にも有と一説也、たかせなるのとせの、〉 ひのくま〈同 万 是みちの国のあぶくまおいふといへるも一説なり、〉 あまの〈同、又たなばたのは空なり、〉 よしき〈同 万 春日野也〉 たけ〈河内、拾、躬恒、〉 むこ〈摂、万、〉 みなせ〈同万〉 いな〈同 万 しながとり〉 いざや〈近 万とこの山なる、〉 あと〈同 万 折たりしまの〉 せた〈同、橋あり、〉 きぬ〈同〉 やす〈同 万 みかみのやまのすそなり、〉 たながみ〈同、拾、あじろ、元輔、〉 すヾか〈伊勢 万 やそせよこえにこえむと雲り、〉 なみだ〈同、古、〉 みや〈同、神宮、新古、定家、〉 神ぢ みもすそ〈同、後拾、経信、〉 いすヾ〈同、新古、匡房、清輔、みもすそ河名雲々、〉 わたらひ〈同 万 わたらひの大河のべのわかくぬき〉 いなみ〈播 万 いなべの川ともいへり〉 しかま〈同 万海に出〉 たと〈美万〉 せきのふち〈同、古、ふちがはとも、〉 みつ〈参 万 さてさす〉 あやの〈讃、後拾、あやの川べ、あや河とも、〉 ちくま〈信 万 さヾれいし〉 にしき〈能、万、〉 かたかひ〈越中、万、〉 おかみ〈同 万 紅匂おとめ〉 売比〈同 万 かざりせしやそのともお〉 うさか〈同 万、 瀬 多 わがむまのあがきの水にきぬぬれぬ〉 さみづ〈同 万 あさこきしつヽうたへあま人〉 さきた〈同、万、〉 みなのせ〈相 万 かまくらのしほみつ〉 とね〈上野、万、〉 あそ〈上野万、〉 たま〈武 万 さらすてづくり、陸奥国歟〉 くし〈常、万、〉 つくば〈同〉 こひせ〈同 万しほ舟〉 みなの〈同、後撰、つくばねの峯よりおつる、〉 もがみ〈出羽、古、いな舟、早川なり、〉 あぶくま〈陸、古、あぶくまにといへり、〉 なとり〈同、古、忠岑、〉 あひづ〈同〉 しら〈陸〉 ころも〈同、拾、〉 あしきの〈筑前 万 たまくしげあしきの〉 そめ〈同、後撰、みそめつ、あひそめかはなどいへり、清輔抄にあり、〉 うるし〈同、拾、〉 おもひ〈同、後撰、伊勢、〉 まつら〈肥前 万 まつら川たましまのうらとよめり、〉 たましま〈同 万 まつらなる、あゆつる、〉 しら〈後撰、越、筑前国とも、〉 みやのせ〈万 うちひさす〉 はや〈相、万、〉 ゆふは〈万〉 いひあひの〈万 山きはの雪はきえぬおありや水うらと雲り、清輔抄には、いりあひ川と雲り如何、〉 とりかへ〈万〉 さくら〈常陸、後撰、貫之、〉 ちとせ〈筑後〉 ほそたに〈備中〉 おきなか〈万 にほ鳥の〉 きよたき〈山、金、西山也、待賢門院堀川、〉 きそぢ〈信〉 きの〈紀〉 いはた〈同〉 くまの〈同〉 おとなし〈同〉 なヽせ しくら〈越中、うかは立川也、〉 たまほし みヽと〈山、七瀬祓、〉 いくたの〈摂〉 みなと〈同、隻海に入湊也、但摂津国為本、〉 すみだ〈下総、いほさきの、駿河とも、〉 いつぬき〈美、むしろたの鶴、〉 さはた〈藤顕仲、金、〉 とみのお〈いかるかの、拾、〉 ほり〈山、詞、好忠〉 なか〈同、後、京極川也、以二条上京極川、是中川、〉 あくた〈摂、金、われおみしまのあくた川といへり、〉 いもせ〈大〉 さのヽ中〈千、仲綱、〉 いでの〈山、新、匡房、いでの玉川とも、〉 なくのお〈山、新古今、八代女王、〉 せみのお〈同、鴨長明、〉 ときのお〈駿、俊頼、〉 ふじのしば〈同、同上、〉 たま〈のだのたま川とも、能円、つの国にもあり、〉 ふる〈大、源氏、〉 せり〈山、野行幸、行平、〉 ふじ〈駿〉 よろし〈大、かすがにあり、〉 ほそ〈同、万、〉 みつ〈三、万九、〉 かたあすは〈万五〉 きさのお〈大 万よしの也〉 ぬかや〈万 あさかしはぬかや、在清輔抄、〉 つぎのお〈豊前宇佐宮也〉 そま〈詞、好忠、隻杣すか所の河也、又名所歟可尋、〉 ましは〈金、公長卿、〉 ちヽ〈長和元大嘗〉 いづみ〈山、みかのはらの渡也、〉 そで〈同、袖也、長和元大嘗、〉 ひつ〈山〉 いはせ〈大、越中にも有、〉 けた〈但たてかつ舟、連歌には、〉 は〈山〉 ひとよ〈筑後一夜也〉 みなれ〈大〉 みしま〈摂〉 たま〈同〉 ぬのびき〈同、滝のすえ、〉 くしだ〈伊勢、斎宮御前川也、〉 さらしな〈信〉 いみづ〈在清輔抄〉 こづ河おは、いどみ川といふ、崇神天皇群兵彼川お中にして、両方よりたヽかふゆへ也、さては、くずはヽ、屓兵従に屎する故の名也、