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無名秘抄
一光行賀茂社歌合とてし侍し時、予月の歌に、 石川やせみのおがは(○○○○○○)の清ければ月も流お尋ねてぞすむ、とよみて侍しお、判者師光入道、かヽる河やはあるとてまけになり侍にき、〈◯中略〉のちに顕昭に逢たりし時、この事かたり出て、是はかも河の異名なり、当社の縁起に侍ると申しかば、おどろきて、かしこくぞおぢて難ぜず侍りける、〈◯中略〉是既に老の功なりとなん申侍りし、