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伊勢参宮名所図会

宮川〈山田の入口也、是より外宮北御門迄卅町、〉一名度会川、豊宮川、斎宮川、禁川と雲、〈源は和州添下郡大台原巴か淵也、其外谷々より落て二見大湊に至る、〉里俗の歌に、 北熊野西は宮川東風ふけばよし野の川に水まさる也、渡し船は昼夜お分たず、満水の時も両宮の神官より人お出し、参詣人お渡さしむ、御遷宮の御時は舟橋おかくる、是上古斎宮勅使参向の時の例也とぞ、むかし斎宮群行勅使参向の時、援に禊あり、又古へ三祭礼の前月、禰宜の大祓も援に勤仕す、諸国より参詣人、此川に浴して身お清むるもこれにならへり、