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東遊行囊抄

天竜川 或は天中川共雲、船渡の大河也、或時は二瀬となりて、大天竜、小天竜と号、或時は一瀬共なり、又或時は三瀬ともなる、水底砂石お流して、瀬常不定、此川の水上は信州諏方の湖なり、北より南に流て、海に入所は懸塚、貝塳など雲湊也、此川の海に入所の沖お天竜灘と雲也、東西の岸に船人の宅あり、