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東遊雑記

越谷の駅より、粕壁の駅まで二里廿五丁、この所よき駅にて唱家多し、古利根川(○○○○)と称する川あり、寛文のはじめ年の頃までは、戸根川此地に流れしに、洪水によりて今のごとく川筋替りしと雲、〈◯中略〉戸根川は、源廿余里、幾筋とながるヽ川々流れ落て、栗橋のかみにて一流となる、聞しよりは大川にて、世に坂東太郎と称せるは此川の事なり、二百石積計の川舟ありて、江戸へ往来す、