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東遊雑記
二十五
角田と雲所は在町にて、仙台侯の臣石川大和と言し大夫の在所也、〈◯中略〉角田の東にて阿武隈川お渡る也、名所に載せし稲葉の渡、此川下にありとばかりいふて、其実跡定かならず、古歌に、よみ人しらず、 風寒く稲葉の渡り空はれて阿武隈川に澄る月影、初に記せしごとく阿武くま川は、北上川には大におとれり、此辺より海へ川の流れ六里也、