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西遊行囊抄
二の二
筑摩川 布橋あり、継橋なり、所々に橋柱お立て、長さ一丁許なり、川原の間広し、 此川は、東より西北へ流れ、大河なり、松本の城下の辺にては梓川(○○)と号し、水内郡川中島の辺にては犀川(○○)と号、それより越後へ流出て牧野駿河守領お通り、下越後にて海に入、 凡当国にちくま川と号する二流あり(○○○○○○○○○○○○)、一は此川なり、又一流は川中島の善光寺の東の方に流るるお雲、其川上は上田の城辺より流下り、武田信玄と上杉藤原の謙信との戦場、横田村陣け瀬などお流過て、善光寺より北布野と雲所にて、此筑摩川と一流になりて越後へ流行、古歌に読たるは此川お雲なるべし、此流は筑摩川お流通る故に、筑摩川と書て、ちくま川と唱る、