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天塩日誌
凡例
一てしほは、西部〈従箱館百二十八里沿海十四里十七丁〉に在て、夷地第二の大川(○○○○○○○)其源は石狩上川ゆうべつしよこつ〈もんへつ領也〉に境し、百五十里お通ず、山中土人多し、〈二百七十余人〉処々に散落し、其三分が一運上屋元并に二島〈てうれ、やぎしり、〉に住す、当時戸籍お別にすべけれ共、元来篷前(とまヽい)土人も此川筋より移りしもの也、 一本名てしうしなるお、何時よりかてしほと詰る也、てしは梁の事、うしは有との意なり、此川底は平磐の地多く、其岩筋通りて、梁柵お結し如く故に号しと、又土人の言に、梁と言るものは、大古此川筋に、石の立并べる処有お、神達が見て始めし物とも言伝したり、