[p.1213][p.1214]
東山志

中畑新田 矢吹まで十八町〈◯中略〉竜崎村飛泉 此駅より左へ五里余にして竜崎村に至る、路の程山道にして屈曲難所なり、此飛泉大熊川の岸上にあり、爆布の如くならず、また簾の如くならず、大熊川水中の石壁なり、水の広さ五十丈余、径り二百丈余の大飛泉なり、石壁の高き処、或は卑き所、ひきヽものは水勢甚しく脹り、高きものは爆布の如く、簾の如く、石巌にあたりて砕る水は玉おなし、水の飛ぶこと霧の如く、此飛泉にて鱒魚お漁するに、其味至て美なりと雲、此辺の一奇観なりとぞ、