[p.1229]
東雅
二地輿
湖みづうみ 水海也、古時湖水おばあふみのみと雲ひけり、万葉集抄に、あはうみとは、しほうみにあらざる水海なるおいふなり、と見えしこれなり、海と雲ひしは、其水大きにして海の如くなるが故なり、近江国おちかつあふみといひ、遠江国おとおつあふみと雲ひしが如きこれなり、其近遠おわかちいひしは、京畿お相去るの近遠おいふ也、〈◯註略〉又古には、湖の字読てみなとともいふ、阿波国風土記の中湖、読て中の水門といふ此なり、