[p.1232]
東関紀行
猶ゆきすぐるほどに、筥根の山にもつきにけり、岩がねたかくかさなりて、駒もなづむばかり也、山のなかにいたりて水うみ広くたヽへり、箱根の湖となづく、又蘆の海(○○○)といふもあり、権現垂跡のもといけだかくたふとし、朱楼紫殿の雲にかさなれる粧ひ、唐家驪山宮かとおどろかれ、巌室石龕の波にのぞめるかげ、銭塘の水心寺ともいひつべし、