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懐橘談

宍道〈◯中略〉 今按に、竪六里横三里の湖水あり、是お宍道の湖と雲、又は佐太の湖とも記には見えたり、末次の里より伯州米子まで七里の舟路也、湖水の中、末次の里のちかくに、よめ島と雲あり、古記には見えず、其外赤壁十六禿など雲湖水の左右、一歩に一景十歩に十景、水〓(くわつ)々、花粲々、柳葱々、蘆莫々、鳥関々、魚溌々、戸重々、楼亭々、船揺々、人来々、無声の詩にも有声の絵にも写しがたきは此風景也、