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東雅
二地輿
波なみ 揚水也、亦鳴水也、古語になと雲ひしに、挙揚の義あり、されば旧事紀、日本紀に、挙の字、読てなといひけり、鳴るといひ、鳴くといふも、声お挙るの義也、鳴水とは、その音あるに因れるなり、たとへば阿波国風土記に、奈汰雲者、其浦波の音無止時、依而奈汰雲といふ義の如し、〈地名に、鳴海、鳴渡などいふが如き、古語になみといひ、なたといふ事の如し、なみと雲ひしは、鳴海といふ語の如く、なだと雲ひしは、鳴渡といふ語に同じ、たといひ、とといふは并に転音なり、〉浪読む事また同じ、