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古事記伝

故思に、書紀一書に国常立尊雲々、天万尊生沫蕩尊、〈沫蕩、此雲阿和那伎、〉沫蕩尊生伊奘諾尊とある、是はいと異なる一伝なり、かくて那伎に蕩字お書れたるは、平の義お取て、〈詩に、旅道有蕩などいふ蕩字のこヽろなり、〉水上の和たる意なるべし、〈或人も然雲き〉さて此に那美と対たるは、那美は水上の騒ぐお雲言にて、波と雲名もそれより出たるなるべし、