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古事記伝

左の御手纏に成る三神お奥と雲ひ、右のに成る三神お辺と雲、奥は海の奥、辺は海辺にて、常にも対言なり、さて左お奥に当るは、師説に、万葉九に、吾妹児者、久志呂爾有奈武、左手乃、吾奥手爾、纏而去麻師乎とある即此意なりと雲れき、〈◯中略〉さて淤伎と淤久とは同言なり、辺は端方なり、波志お切て比となり、此倍お切て閉となれるなり、〈故海辺お宇那備、浜辺お波万備、岡辺お乎加備とも古歌によめり、〉