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源氏物語
二十二玉鬘
はや船といひて、さまことになんかまへたりければ、思ふかたの風さへすヽみて、あやうきまで走りのぼりぬ、ひヾきの灘もなだらかにすぎぬ、〈◯中略〉うきことに胸のみ騒ぐひヾきにはひヾきの灘もさはらざりけり