[p.1300][p.1301][p.1302]
藻塩草
五水辺
浜〈同名所◯中略〉 伊勢浜〈いせ、波の花、いもり、家づと、つり、塩焼、蛍、荻、うつせ貝、桜貝、塩がひ、忘がひ、雁、あはび、玉、みるめ、神風、たびね、〉 伊保浜〈摂州、もしほ草、五月雨、〉 宮浜〈越前 ふる雪の色のはまべの白妙にそれともわかぬむら千鳥かな、ますほのにかひ、〉 お見浜〈つの国住吉郡 すみよしのおみのはまの柴なかりそ、乙女子があかものすそのぬれてゆかんみん〉岩木浜〈いづ、或雲、いよ、 つれなさはいは木のはまの散浪お何お心にのけはじめけん〉 怡土〈筑前、船の縄手、君がみぞぬふ、〉 岩代浜〈きの国 いはしろのはま松が枝お引むすびまさしくあらば又かへりこん〉 星合浜〈いせの海の名にあらはれて波まくらかはしやすらんほしあひのはま、七夕のかよひ所、〉 遠津浜〈岩つつじ〉 千尋浜〈いせ、又きの国、 いせの海のちひろのはまにひろふ共今はかひなくおもほゆるかな、是はいせの也、きの国、 万代おかぞへん物はきの国のちひろのはまの真砂なりけり〉 千里浜〈きのくに すえとおきちさとのはまに日の暮て秋風おくる岩代の松〉 千草浜〈上総 色々のかひありてこそひろはなれち草のはまおあさるまに〳〵〉 被忘浜〈わうしう 年ふれどいつも我こそ忘られのはまちどりとはなきわたりつヽ〉 神小浜〈とさ〉 かみしきの浜〈備前、八雲御説、〉 かたみの浜〈かづさ、八雲御説、〉 堅田浜〈近江 鮒、あだなみ、つり舟、〉 風莫浜〈紀州 風なきのはまの白なみいたづらにこヽぞよりくるみる人なしに〉 辛崎浜〈近江 大宮人、御祓、ひく調、花のなみ、つる、〉 よさの浜〈丹後 いさり、あまのまてかた、松、ほたる、わかめ、千鳥、〉 万代浜〈同名 はまの名に君がよはひはあらはれてのどけき波も万代のすえ〉 余綾浜〈さがみぢのよろぎの浜のまさごなすうらはかなしくおもはるヽかも〉 喚続浜〈尾張 なるみがた夕なみ千鳥立かへりともよびつぎのはまに鳴也〉 高浜〈つの国 きてみれば千世もへぬべしたかはまの松にむれいる鶴の毛ごろも〉 たつなの浜〈紀州 おきつしまたかにあはせはしらず共たづなのはまに尋きなまし〉 高砂浜〈はりま、千鳥、時鳥、年ふる松、〉 たいの浜〈同上、八雲御説、〉 高師浜〈和泉、大伴の高師のはまとそへたり、真砂、そなれ松、松がね枕、松のはひね、まろね、ちどり、塩風、たづ、あだなみ、恋、〉 素都浜〈みちのくのおくゆかしくぞおもほゆるつぼの石文そとのはまかぜ〉 つのがの浜〈えちぜん、こしの海のつのがのはまに大船にまかぢぬきおろし、〉 つなのヽ浜〈ひぜん、八雲御説、〉 難波浜〈摂津、松原、此よめる事、浦潟に同之、〉 奈古〈同上 住吉のなこの浜べに駒なべて玉ひろひしくつね忘られず、猶よめる事同浦に、〉 長柄浜〈同右、さヾれ石、雲の梯、千鳥、 春の日のながらの浜に駒とめていづれお橋ととへどこたへず〉 なこえの浜〈舟ごとにかじふりたてヽくほりするなこえのはまべすぎかちぬとも〉 長居浜〈同右、さヾれ石、千鳥、〉 并浜〈同上、なにはのさきのならびはまといへり、〉 長洲浜〈同右、あしたづ 恋詫ぬ悲しきこともなぐさめんいづれながすのはまべなるらん〉 なるとの浜〈八雲御説〉 長浜〈伊勢、君が代、まさごの数、みるめ、あま、貝、われは命の、〉 鳴耶浜〈紀州 ねおぞなくやのと雲り〉 名草浜〈きの国、貝、あまのめざし、雪、心なぐさのはまちどり、跡もなぐさのはまちどり、総てなき事に寄たり、又なぐさむに雲り、あまのかるみるめお波にまがへつヽ、〉 打出浜〈近江、氷とくらし白波の、しらゆふ、花、落花、〉 有度浜〈駿河、あまのはごろも、恋、はふりこ、ちどり、〉 内外浜〈丹後、辺おうみわた〉〈るあま、〉 鶉浜〈筑前 かりそとは思はぬ旅おいかなればうづらはまおば行くらすらん〉 小浜〈い勢、かひ、〉 大崎浜〈土佐 大さきの神のおたまはせばけれど百舟もすぐとこそいはなくに〉 大淀浜〈同右、大よどのはまの真砂お君が代の数にとれとやなみもよすらん〉 興津浜〈和泉、たつちどり、月、くぬぎ、駒、〉 大わたの浜〈摂津、さヾれなみ、はまきよみ、浦なつかしみ、神代より千舟のとまる大わたの浦、〉 御前浜〈同上、雪、松、神がき、〉 大伴御津浜〈同右、松、神さび、〉 おもの浜〈近江とヽこほる時もあらじなあふみなるおものヽはまのあまのひつきは〉 大長浜〈遠江、みやこにのぼる、〉 桑原浜〈あふみ すべらきの御代はつきせじ桑原の浜田は三度海となるとも〉 雲浜〈若狭 はるかにもおもほゆるかな雲のはま天河原に行やかよへる〉 黒戸浜〈上総、菊、 まどろまじこよひならではいつかみんくろどのはまの秋のよの月〉 くろ浜〈越前、八雲御説、〉 倉無浜〈豊前 わきもこがあかもぬらしてうへし田おかりておさめんくらなしのはま〉 八ま浜〈ぶぜん、春の日のはきめに道のみえつるは、〉 真野浜〈ぶぜん とよ国のまのヽ浜辺のまなごちのまなこにしあらば何かなげかんあふみ同名同之、 あふみぢやまのヽはまべに駒とめてひらの高ねの花おみるかな〉 真熊浜〈伊勢、時鳥、〉 間之浜〈ぶぜん、まなこ、〉 吹上浜〈紀州、白ぎく、千鳥、月、秋風、春風の共、いづれも風の吹あぐる事によせたる也、まさご、あられ、しほひがた、浅茅原、桜、すたれ貝、浜びさし、葛、〉 吹飯浜〈いづみ 時つ風吹井のはまにいでいつヽあそぶ命はいもが為こそ〉 船瀬浜〈はりま 行かへりみればあかんやなきすみの舟せのはまにしきるしらなみ〉 吹手浜〈ぶぜん 秋風の吹手のはまのはまひめはよさむにあれや衣かたしく〉 船木浜〈あふみ 河しまや舟木のはまの磯千鳥おのれが名おばたれとたのまん〉 こぬみ浜〈するが、松、うつせ貝、月、はまひさき、 駒なづむ岩木の山お越かねて人もこぬ身のはまにかもねん 岩木山たヾこえきませいほさきのこぬみのはまにわれたちまたん〉 恋浜〈はりま、人しれずくるしき〉 粉浜〈つの国住吉郡 すみ吉のこはまのしヽみあけもみずかくれてのみや恋わたりなん〉 こひその浜〈さがみ、八雲御説、〉 明石浜〈はりま、舟、みるめ、たくなは、岡の松、時鳥、ともし火、家のあたり、〉 飽こ浜〈きの国、忘がひ、〉 網代浜〈伊勢、八十戍人きく玉、〉 飽野浜〈つの国のあきのヽはまの忘がひ我はわすれず年はふれども〉 荒津浜〈筑前、しろたへの袖のわかれおかたみにて、〉 有礒浜〈えつ中、千鳥、真砂、葛、〉佐のヽ浜〈近江 あふみぢやさのヽはまべに駒とめてひらの高禰の花おみるかな〉 企救浜〈ぶぜん とよ国のきくのたかはま心にもなにとていもにあひ見そめけん、きくのながはま共雲り、音にのみきくのはま松下葉さへうつろふ比の人はたのまじ〉 雪白浜〈但馬 立とまる雪のしらはまもろよせておもひしものお人やうらみん〉雪高浜〈佐渡 ふりつヾく雪のかたはまはるばると木蔭も見へぬこしのうらかぜ〉 御津浜〈つのくに、又近江に在同名、忘がひ、松、舟、ねかひお、みそぎ、千鳥、してのおと、衣うつ、波の玉しく、江州のにはいはこす波、〉 御熊野浜〈紀州、南は山のはもなし、〉 三形浜〈わかさ、月、〉 美能う浜〈ちくぜん、うつせがひ、〉 白良浜〈伊勢 いく夜ねむ白なみよするしらこはまはま松がねに松葉折しき、からすがひ、月、松、〉 塩合浜〈同上〉 志賀浜〈近江子日松、ひと本のしがの浜、松、古き都、いさり火、〉 しかきの浜〈紀州、八雲御説、〉 しなのヽ浜〈えつ中 こしの海のしなのヽ浜、お行くらしながき春日にわすれて思ふや秋の初風、〉 したくら浜〈八雲御説〉広田浜〈摂州 しら浜の磯の数にはあらねどもめぐみひろたの名おやたのまん、みてぐら、社、薄、榊、はまゆふ、雪、〉 住吉浜〈同右、うつせがひ、松、真砂おふむ、たつ波のしらゆふ、ゆふしで〉 陬磨〈同上、よめる事、浦に同、〉 下立浜〈近江、なき名、〉 枝浜〈上総、花、〉