[p.1302]
新編鎌倉志

七里浜 七里浜は、稲村崎より腰越までの間お、七里浜と雲ふ、関東道七里有、〈以六町為一里〉故に名く、古戦場なり、今も太刀刀の折、白骨など砂に雑て有と雲ふ、此浜に鉄砂あり、黒き事漆の如し、極細にしていささかも余の砂お不交、日に映ずれば輝て銀の如し、庖丁小刀等おみがくに佳也、又花貝とてうつくしき貝あり、児女拾て作り花にする也、桜貝とも雲、桜色なる故なり、