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東遊雑記
二十三
八つ時過塩竈浦へ御著船なり、此浦むかしにかわりて、ふね入浅く、やう〳〵船の通行せる事にて、所々に柱お建てしるしとせり、海面清浄ならず、入江々々沼のごとくに見ぐるし、町にあがりては、松島の町よりは大にすぐれ、三百余軒あり、町の間に塩筒尾命の社あり、