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平家物語

すヾきの事 ある時、たヾもり、びぜんの国より、のぼられたりけるに、鳥羽の院、あかしのうらはいかにと、おほせければ、忠盛かしこまつて、 有明の月もあかしの浦風に波ばかりこそよるとみえしか、と申されければ、院大きに御かん有て、やがて此歌おば、金葉集にぞ入られける、