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平家物語

太ざいふおちの事 山がへも又かたきよすと聞えしかば、取ものも取あへず、平家は小舟共に取乗て、終夜ぶぜんの国柳が浦へぞわたられける、援に都おさだめて、内裏つくらるべしと、公卿せんぎ有しか共、ぶんげんなければ、それもかなはず、