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北越雪譜
二編四
浮島 小千谷より西一里に、芳谷村といふあり、こヽに郡殿(こほりどの)の池とて、四方二三町計の池ありて、浮島十三あり、晴天風なき時、日出れば十三の小島おの〳〵離散して池中に遊ぶが如し、日入れば池の正中にあつまりて一つの島となる、此池に種々の奇異あれども、文多ければしるさず、羽州の浮島はものにも記して、人の知る処なれど、此うきしまはしる人まれなり、