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鹿苑院殿厳島詣記
けふ五日、〈◯康応元年三月〉雨風はげしくなりてあまのおしてもいとヾたゆきにや、夜中ばかりになりてたて崎とかやいふ海中にいかりおおろして、御舟おとヾめらる、四方の空くらかりしかば、御舟お洲にこぎかけしかども、わづらひなかりき、