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三養雑記

地震にて晴雨お知る(○○○○○○○○○)歌 世に地震にて晴雨お知る歌とて 九はやまひ五七の雨に四日でり六八なれば風としるべし、この九はやまひといへるは、疾病のことにはあらず、空の曇おいへり、そのよしは、唐土の地震にて晴雨お知る訣に、日風疾雨と順にくる時はしらるヽよし、日〈明六昼八夜四〉風〈五七九〉疾〈四暮六夜九〉雨〈九夜五明七〉これは澀井春海の伝来なるよし輪池翁のはなしなりき、再おもふにこの地震の歌の時取あやまれり、六つ日でりならでは協はず、そのよしは、明暮の六と昼夜の九とは竪横にて、数一なるべし、四八と五七とは二づヽにて、竪横の間おいへるなり、猫の目にて時刻お知る歌にても併おもふべし、〈◯図略〉