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震雷考説
扠又逃出る時に至り、火鉢へ土瓶おかけ、焼火おしめすなどは古く言伝へて誰も知る処ながら、急速にしてゆきとヾかずば、鎮りて後すみやかに手段すべし、途中に往かヽり、又は逃出ての途中、総て遠く見渡すことなかれ、空おながめ地お見るべからず、動気五臓にうつりて、気血狂ふなり、隻々近辺の建家長屋石垣等崩れ倒るとも、気遣なき場所お見さだめ、是に眼おつけ、同じ所に彳て、あゆむが如く足お踏かへ〳〵、地気のうつらざるやうにすべし