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筆のすさび

一地震せざる家(○○○○○○) 備後の山南村何某が家、地震に動かず、其家の下一面の大石なり、徂来が峡中紀行に、石室の僧に地震の事お問ひけるに、近年の大地震にも、動かざりしと答へし事あり、されば火脈の力も、大石お動かすことあたはざるか、また石も無尽底より根ざせしものありや、備後深津村の王子山も、地震なしといふは信にや、