牛馬定目留書

覚
一駒弐歳駁、佐目、鶴毛、河原毛、尾白、黒毛、猿佐目、水青、此類にて、能馬五匹御用に候間、御馬代は前々 御定之通買上可被申候、縦中之駒に候共、右之毛にて無疵に候はゞ、買上可申候、馬一切悪敷候 はゞ、無用に仕、覚書にいたし罷帰候節可差出事、
一駒当歳改可為如例年事
一駄当歳も、駒当歳同前に改、別帳差上可申事、
一所々村々母駄有之候而も、能父馬無之候得者、能馬不出、御為も惡敷、其上駄馬持候御百姓之た めも惡敷候間、其村里母駄馬数に応じ、先年より駒二歳残置候様にと被仰付候、せたおひすり こほう、小長け、疵馬は父に置不申、長け立能弐歳、御買馬之外に而、父馬残置、父馬帳に記之可申 事、
一諸給人持馬買馬望候はゞ、御買馬残にて弐歳如先年為買持立させ可申候、買馬は代金御定之 通、上駒壱両、中駒三歩、下駒弐歩可申付候、買人御給人之外、御町人御百姓に一切為買申間敷候、 御給人共買候共、馬悪敷、小荷駄に仕置候而も、御町人御百姓渡不申、急度持置、来年秋、盛岡にて 御改に合候様にと堅申付、為買可申候、疵馬は買馬に為仕間敷候、買馬仕候而も、小荷駄之望に て買度と申が持立兼可申様成ものには、一切為買申間敷候、買馬は即時髪切渡可申事、
一給所地頭持馬仕度と申候はゞ、弐歳遂見分御買馬之外にて持馬為仕、猶馬改帳に付、来年盛岡 にて御改之時分申断、急度為改可申候、馬悪敷、盛岡〈江〉牽寄不申、小荷駄に仕、知行所に差置候は ば、来秋其所へ御改人被遣候節、其所々にて弐歳帳に合為改可申候、若馬落候はゞ、地頭下代より 其辺御代官〈江〉申断、尾頭持参拝見可申事、〈○中略〉
右馬改、在々村々〈江〉廻役可被申候、馬主共遠方〈江〉牽参候得者、物入迷惑候之間、馬牽参掛次第無滞改、早々返候様に可仕候、駒弐歳揃駒之事、毎年寄所にて為揃可被申候、以上、
宝永六年七月
三五六七戸 野部地田名部 沼宮内福岡 右之所々者、上駒壱両、中駒三歩、下駒弐歩也、
郡山大廻 花巻八御代官 遠野大槌 宮古野田 花輪 毛馬内
盛岡通雫石沢内
右之所々上駒三歩、中駒弐歩、下駒壱歩半、〈○下略〉