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古事記伝
十一
馬は、和名抄には無万(むま)とあれど、書紀雄略巻歌にも、宇麼(うま)とありて、古言は皆然り、但和名抄などにも、牡馬お手万(おま)、牝馬お米万(めま)、駒お古万(こま)とある例の如く、御馬は美馬(みま)と訓べし、万葉五〈二十五丁〉に、美麻知可豆加婆(みまちかづかば)〈御馬近者(ちかづかば)なり〉とあり、