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塵袋

一牝(ひ)馬お駄と申すは、駄おやがてめむまとよむ歟、 めむまとは騲、〈日本紀には、草馬の二字お、めむまとよめり、〉とも騇ともかく、されども駄の字おばおほすとよむ、雑物おせなかにおほするなり、されば牡馬なりとも物おおほするほどの馬おば、駄ともなどか雲はざらむ、なれども、かやうの事は、いひならはしたるによりて、人の心えやすきやうに、多分につきて雲ふ歟、