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太平記
二十九
小清水合戦事附瑞夢事
河津左衛門〈○中略〉敵の群りたる中へ、会尺もなく懸入んと、一段高き岸の上へ懸ける処に、十方より鏃お汰て射ける矢に、馬の平頸草わき(○○○○○)、弓手の小がいな(○○○○○○○)、右の膝口(○○○○)、四所まで、箆深に射られて、馬は小ひざお折てどうと臥す、