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蒹葭堂雑錄

甲斐国保坂の牧の馬、野飼の牛と交て出生せし者とて、頭は馬にして余身(みうち)は牛なり、四足も左の爪は馬にて、右の爪は牛の如し、明和二年酉の正月甲斐国より率来り、浪華に於て観物とす、実に古今の奇畜といふべし、