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本朝奇跡談

又同(土佐)国より小馬(こむま)出る、是お世に土佐駒と雲、是は彼国の馬なれども、片輪(かたわ)者といふ類也、〓而此国の馬、肝強く丈高く足強し、百数十里の道、沓お打ずして江都に至り、足痛むの憂なし、彼国に限り小馬のみ有と心得る事甚誤りなり、彼小馬は所にては用ゆる事なし、馬口労(はくらう)体の者に価にかゝはらずして遣すよし、