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明良洪範
十一
信州の人曰、常に米の藁お喰ふ馬は、冬野に放ち置きて、脊に霜かヽれば忽ち消る、常に粟の藁お喰ふ馬は、脊にかヽる霜暫時消ずと也、信州は至て寒国なれば、かやうなる事有ぬべし、米の徳ある事、今更いふべくもあらず、