円流騎馬法

四

療治之巻
一尿結と雲ふは、後肢おかゞめ臥て、おきる時はいぬふしにして、しばらく有て起、〓のねおかき、又目たゝきおする事も有、
飼汁は昆布おあらいて、其汁にて可用、又葱苳お煎じて飼もよし、
一虫腹と雲ふは右の二病より急にして、そりかゞみ尾おふり煩なり、虫の付たる所おかきせぐりおしてもだへおきふししげかるべし、此時はおはこお煎じて飼べし、
三段之薬
一牽牛子 一白朮 一莪朮 一大黄 一木香〈各壱両宛〉 一苦辛〈弐分〉
右結馬強くば黄芩黄蓮お加へ、尿結には沢瀉木通お加へ、虫腹には胡黄連、苦辛、〈大〉良香、葛根、〓白皮、〈各中〉周麻〈少〉加へ、
右細末して伺汁時によるべし、是もつよく熱したらば、大黄黄芩黄連お加べし、虫強くば右の薬に三稜お可加、尿結強くば猪苓お可加、
一内羅と雲ふは、寒熱有寒にみゆる時は、毛たちふしよくし、なにともしれず煩なり、熱の時は耳たれ毛ふし煩ふ也、
薬之事
一良香 一細辛 一茯苓 一防風 一桂枝 一干姜 一縮砂 一川芎〈各等分〉一五味子 一当帰〈各三分〉右調合してにごり酒にて可飼、又葱苳お煎じても可飼也、又内乱の時は、
一 一桂枝〈中〉 一防風〈大〉 一細辛〈中〉 一茯苓〈大〉 一滑石〈大〉
右細末して右の飼汁にて可用也、又引内羅には右の薬お川えびおすりて、にごり酒にてのべて飼べし、