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本草綱目訳義
五十/獣
狗いぬ〈今〉えぬ〈古名えのこ、子の名、えぬのこの異名也、えのころ、〉
唐にて家にかふて食用にす、之お食犬と雲、集解に食犬(○○)、田犬(○○)、吠犬(○○)三種あり、田犬ばかりいぬ也、長喙と雲て、かほ長き犬お用ゆ、よく獣おかぎ出し咬み付なり、之お俗に猟犬猟狗と雲、吠犬は家にかひ盗の用心にする、夜お守る犬のこと也、一名守犬〈花鏡〉食犬と雲は則むくいぬのこと、毛長して肥たる物なり、之は常の犬の内に自然に出来るなり、是お唐には食用によしと雲て名づく、又かりにするに、形大なる犬あり、力強きと雲て、本舶来の物と雲、俗に唐犬と雲、是は書名に高四尺曰獒と雲ものなり、多曰龎と雲は水犬也、紅毛より来る、ちんの類なり、形小して毛長し、画にある唐しヽの形の如く、毛おおふて目の所見へず、是もよく守る、知ぬひとなどにも吠る也、〈一名〉毛獅狗、〈郷談正音〉金聯狗、〈花鏡、金色のものお雲、〉又毛短く形小なるおちんと雲、もと蛮国の犬也、今は京にも諸国にもあり、菓子おくはすべし、飯お食するは大になる、もと阿蘭陀人持来る、又紅毛人の蓄には、又至て小く馬の鐙の内へはいるあり、之お上品とす、