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重修本草綱目啓蒙
三十三/畜
狗宝 いぬのたま
狗の腹中にある石なり、牛馬の鮓答と同じ、亦狗の病也、故に狗宝生癩狗腹中と雲、凡狗痩せ毛落皮のみになりし腹中にあり、故に留青日札に、凡狗有宝則羸痩、毛落不勝、其熱入水自濡、其塊如栗、同胞破之可千葉、入薬治毒瘡と雲、五雑俎に、又有一種狗、不飲不食、常望月而嘷者非瘈也、乃肚中有狗宝也、宝如石、大者如鵝卵、小如雞子、専治咽食之疾と雲ふ、形は馬の鮓答より小く、馬銭(まちん)の形にして白色微青、或は灰色微黒、円なるも扁なるもあり、砕けば内は皮のみ多く重り、鮓答に異ならず、本経逢原に、擊砕其理如虫、白蠟者真と雲は、その層畳の状お雲へるなり、