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傍廂
前篇
ちん犬
婀犬おちんといひて、仲字おあてたれど非なり、仲は字書に狂也とありて、くるふ事なり、小犬のちんは字音にあらず、ぢいぬの音便にて、ぢいぬはちいさいぬの略なり、もと皇朝の物ならねば、名はなかりしなり、類聚国史に、〈○中略〉契丹大狗二口、猧子二口在前進之、これ皇朝に婀犬わたりたる始なり、