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源氏物語
三十四/若菜
から猫(○○○)のいとちいさくおかしげなるお、すこしおほきなる猫のおひつゞきて、俄にみすのつまよりはしり出るに、人々おびえさはぎて、そよ〳〵とみじろきさまよふけはひども、きぬの音なひみゝかしましきこゝちす、猫はまだよく人にもなつかぬにや、つないとながくつきたりけるお、ものにひきかけまつはれにけるお、にげんとひこしろふ程に、みすのそばいとあらはにひきあげられたるお、とみにひきなおす人もなし、