重修本草綱目啓蒙

三十四/獣

霊貓 じやかうねこ 一名香髦〈丹鉛総錄〉 香〓〈泉州府志、〓狸同、〉 鈴狸〈本草彙言〉
狐狸麝香〈薬性要略大全〉 果狸〈広東新語〉和産詳ならず、薩州及長崎には希に舶来あり、猫の形にして大く、体に香気ありと雲ふ、京師にては間じやかう猫と名て観場に出すことあり、狸類の獣お飾り、傍人摺扇(あふぎ)お以扇ぐ時は香気あり、是獣に香気あるに非、摺扇中に香お入て人お欺くなり、唐山にては此獣肉お食ひ、毛の筆に用ゆ、本草彙言に其毛可以為筆、写書不鈍と雲、広東新語に、其食惟美果、故肉香脆而甘、秋冬百果皆熟、肉猶肥と雲ふ、