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太閤記
十六
土佐国寄船之事
土州長曾我部居城ちようかの森かつら浜うら戸の湊より、十八里沖におびたゞしき大船、慶長元年九月八日寄来之旨、長曾我部方へ告来りしなり、則小船お仕立見せにつかはしければ、南蛮国より、のびすばんと雲ふ国へ商売のため通ふ舟にて侍りけるが、〈○中略〉帰朝の御いとま申上ければ、入べき物どもお注文お取て下行せしめつかはし申べきむねなるによつて、注文お出し候へと、長盛申つかはしければ、八木五百石、豚百、雞千匹と申上けり、