[p.0230]
倭訓栞
前編二十二/禰
ねずみ 倭名抄に鼠およめり、寝盗の義成べし、人の寝て後によて出て、物お盗食ふもの也、増韻に虫似獣、法苑珠林に鼠盗窃小獣、夜出昼匿と見えたり、子鼠おこねらといふ、羽州には鼠おばかといふ、白鼠お福といふは、太平広記に金玉之精といへり、日本後紀に、也城国献白鼠と見ゆ、今は甚多し、とき色あり、斑あり、黒色なるあり、光仁紀に見ゆ、