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本草綱目訳義
五十一/獣
兎うさぎ
是山中におほし、穴おほり内にいる、外に出てははしることはやし、京にいるは茶色、間には黒きあり、人家に養は白兎多あり、又白黒交るあり、蓄兎は人に馴る、白きは南京うさぎと雲、唐には古白きもの希也、白兎瑞物にすることあり、瑞応図に、王者恩加耆老白兎見雲々、便覧、赤兎上瑞白兎中瑞雲々、花鏡或雲、兎寿可千歳、至五百歳、則色自白雲々、今南京うさぎと雲は、其種ありておこる者也、五百歳の者にあらず、唐にも家に蓄に白兎多と雲、故に通雅、崇禎始白兎外国より多来りて其後多と雲、花鏡、近日常門出一種白兎、乃銀鼠非数百年之物雲々、此説では白兎は銀鼠と雲、然ども此説非也、鼠にあらず、兎也、狡兎こがしこいうなぎ也、穴の口お三方にほり、一方から人がのぞめば脇より出る、又貘の附錄に狡兎あり、別也、兎の糞お薬用にす、是は野処々にあり、少丸し、丸薬の如し、薬名明目砂と雲、望月砂とも、〈逢原〉 本条〈一名〉 欠唇先生〈異名〉 決鼻〈通雅〉 穴鼻〈紺珠〉
朴朔〈紺珠〉 宛脾〈通雅〉 朴堀〈便覧〉 朴握〈紺珠〉 建毛〈紺珠〉 菊道人〈同〉 陶褒〈故事白眉〉 舎々迦〈紺珠〉天竺言也、