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倭訓栞
中編九/佐
さるのみさけび 猿の三叫也、詩に三声などいへるは、峡猿の物かなしきおのべたり、巫峡諦猿数行涙などもいへるによれるや、躬恒集猿の歌に、
心あらばみたびといふたび鳴声お物思ふ人にきかせざらなん