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重修本草綱目啓蒙
三十五/寓類怪類
狒狒 やまわろ〈豊前、薩州、〉 一名贛巨人〈山海経〉 〓〓〈典籍便覧〉 叫陽〈庶物異名疏〉 〓費〈同上〉 費費〈通雅〉 吐嘍〈同上〉 山笑〈広東新語〉
深山中に棲む、木曾及豊前、薩州、飛州、能州にありと聞けり、人形にして毛ありて猴の如し、毛は皆刺の如くして色赤し、死すれば脱落すと雲ふ、その口至て大なり、人お見れば笑ふ、笑へば上唇額に至り目お掩ふ、故に人竹筒中に手お入れて前に出せば、狒狒その筒お握り、笑て唇目お掩ふ時、筒中の手お抜出し、錐お以て上唇お額に釘して捕ること、集解に雲へり、